「炭焼き体験会」

 大変長らくお待たせいたしました。

 

 昨年9月末に始まった「くつきの森 炭がま復活プロジェクト」。ついに炭焼きの時がやってきました。

 11月21日から22日にかけて行われた「炭焼き体験会」…予定では2日間だったのですが、やはり例によって?ここでもいろいろありまして、当初の2日間では炭焼きが始まりませんでした。その様子を粛々とお伝えします。

 

 11月21日土曜日。すっきりと晴れ渡ったくつきの森。

 

 朝10時前から作業開始。まずは、10月31日~11月1日にかけて実施した炭がまへの「火入れ」の結果確認です。火入れの後、なかなか上がらなかった窯内温度ですが、やがて窯の中に詰めた木々に着火し、ぐんぐん上昇して500℃近くになったところで、煙突付近に取り付けた温度計が熱にさらされ、危険な状況になったので取り外したそうです。

( 後で聞いたところ、小屋の骨組みも一部焦げていたとか。危なかったー ) 

その後、窯内の木がすべて燃え尽きるまで待って、いよいよ、窯の中を開けてみます。

 

 長時間熱にさらされ続けた炭がまの内部は、あちこちでひび割れや壁の崩落が発生していました。さらに、窯の形を守るための金網もところどころが切れて垂れ下がっている有り様。

 

 びっしり詰め込まれていた木々は影も形もなくなっていましたが、その代わりに窯の床に落ちていた壁の塊を搬出しました。窯に穴が開いたわけではありませんが、炭焼きの前にはまず窯のひび割れなどの修復が必要になりました。崩落した壁の塊は粉々にして、そのままでは水と混ざりにくかったので、土と混ぜて再利用しました。

 

 一方、炭にする原木ですが、コナラやネジキ、クリ、カエデ等の木々を数日前からくつきの森のスタッフの皆さんが集めにかかっていたのですが、実際に集まった木々を目の当たりにすると、(1)炭がまの大きさに対して本数が不足していそう (2)炭として仕上げるには太すぎる木が多い ことが分かり、こちらのほうにも対応が必要になりました。

 

 

木を割るには「楔」を打ち込みます。 効率良くできないか?と、最初はなんと重機で(!)打とうとしましたが、うまく行きません。

 結局人力作業で楔を打ちこむことになりました。「楔を打ちこむ」ということわざは皆さんご存知かと思いますが、実際にやるのは重くて相当大変です。カケヤ(ハンマー)の重さを巧みに利用して打つのがコツのようです。ひび割れても切れなかったところはナタを使って切っていきました。割る作業は1本の木を1/2だけでなく1/4に割る必要もあって時間が予想外にかかってしまいました。

 

 こういった想定外の作業が発生した結果、実は今回の「炭焼き体験会」、事前のシナリオでは11月21日(土)の午後、夕方前には炭焼きの日が入る計画だったのですが、そうなりませんでした。延べ11名ほどの方が参加者として来られていろいろ手伝っていただいたのですが、本当に申し訳ありませんでした m(--)m

 

 ※ むかし炭焼きが日常の一部だったころは、木をこのようにして割る必要はなく、ほど良い太さの木を入手することができたそうです。

 

 そして、作業は11/22(日)へ。今日も青空の下、原木の切りそろえ作業と窯の修復作業の続きを行いました。

 

 午後からは原木の炭がまへの搬入を開始。我らが棟梁Tさんが窯内に入り、原木を壁に立てるだけでなく、窯の中に原木の隙間を極力なくす作業を実施。指示に従い、様々な長さに切られた木が運びこまれ、窯の中にきっちりと詰め込まれました。空気が入ってしまうと、木は燃えすぎて炭ではなくて灰になってしまいますので、ここはしっかりやらないといけません。

 

 

 びっしり原木を炭がまに詰め込んだところで、搬入出口を塞いで2日目の作業は終了しました。

 

 

今回、1日目にやまね館宿泊オプションを申し込まれた方には、炭がまではなく館内ロビーの薪ストーブの周りで親睦を深めていただきました。今後は炭がまの周りで集まってつのる話ができるようになりたいですね。。。

 

 

 

 そして11/23(月)、参加者の居ない三連休最終日もくつきの森のEさん、Tさんの手で作業は粛々と続けられました。

 この日は朝から時雨が土砂降りのように降り注ぐ一日でしたが、小屋の中では炭がまの着火に備え、窯のあちこちにできたひび割れの修復作業が行われていました。

 

 

 そして、11/26(木)の午後、くつきの森に電話して様子を聞くと、「今日の午後3時以降で炭焼きするぞ~」とのこと。

 

 ということで時雨空の下、見に行きました。

 

 行ってみると、炭焼き小屋の中には炭焼きで使う薪がこの通り。これを使って炭焼きの火を夜通し燃やすそうです。

 

 そして、炭がまでは棟梁が最後の準備作業をされていました。

 

 持ってきた鉄板をグラインダーでグィーンと切り、炭がまの煙突の上にセッティング。煙突の熱が小屋の柱に当たらないようにする仕掛けですね。

 

 そして夕方、あたりがすっかり暗くなったこと、いよいよその時がやってきました。

 

 「くつきの森 炭がま復活プロジェクト」は、ついに「炭がま作りの章」から、「炭焼きの章」に進みました。

 

 炎はどんどん燃え盛ります。熱い!

 

 果たして、炭はできるのか?

 

 期待と、不安が、交錯します。

 

 炭焼きの結果については、後日、お知らせしますね。

 炭焼きの火は、11月26日から数日間燃やされ、その後炭がまを塞いで蒸し焼きの状態にするそうです。温度と、煙突から出る煙の色で温度管理をするのは大変難しいとのこと。炭がまにはその造られた経緯から、世界の中に同じものは他になく、窯ごとにある「くせ」の見極めも必要、ということで、これから回数を重ねて、経験値を上げて行くということになると思います。

( 炭がまのサイズがいささか大きいので、入れる原木を集めるのもひと仕事になりそう…)

 

 そうした炭がまづくりや炭焼き技術の次世代への継承は、人が森林を適切に管理し、森林資源が循環する状況をつくり維持していく上でもとても大切なことです。

 

 加えて、炭焼きが「産業」そして「ビジネス」になっていくためには、炭の「用途」そして「販路」についても考えていかなければなりません。私たち「たかしまの森へ行こう!」プロジェクトでは、そのためのワークショップを2021年2月頃に開催することを計画しています( ※ 詳細については、後日改めてお知らせします)。

 

 何はともあれ、炭がまづくりに情熱を傾けてくださった森林公園くつきの森の棟梁、Eさんはじめスタッフの皆さん、地域の皆さん、このプロジェクトにかかわっていただいたすべての皆さん、お疲れさまでした&ありがとうございました!

 

 今宵はEさんが夜通し薪をくべて過ごすそうです。

 たんまり腹ごしらえして備えてください。

 

 

 

 私もそろそろ撤収します。お疲れさまでした。

 なお、この続きは、森林公園くつきの森のイベント紹介をご覧ください。