「くつきの森で森のカルテをつくろう!」第一回

 

 

第1回

丹羽健司さん 講演会

& 森の健康診断体験

 

 

 

 

 

 

 皆さま、こんにちは。

 関西ではまだ発表されていないようですが、いよいよ梅雨の時期になりましたね。

人間には少々うっとうしいこの時期ですが、植物たちにとっては今年の中で一番元気に

成長できる時期と言えるでしょう。

 

 去る6/8(土) 、森林公園くつきの森で、いよいよ

「くつきの森で森のカルテをつくろう」が始まりました。

 

 その第一回目は、「森の健康診断」体験。

「森の健康診断」を世に知らしめた丹羽 健司さんご本人にお越しいただき、

講演会と森の健康診断の体験をセットで行いました。

 

 一見温和でダンディな丹羽さん、実際はものすごーくタフな方で、連日のように

全国を飛び回っておられるそうです。

 

 

 勉強会はあいにくの雨の中の開催になりましたが、滋賀県内、京都府から

計11名の参加をいただきました。

当日参加の方もいらっしゃいました。

 

 

 はじめに、NPO法人麻生里山センター 海老澤さんから、くつきの森の紹介と、今回の「森のカルテ作り」についてのお話。これから続く勉強会を通じて、くつきの森のランドスケープをつくり、里山に関わる人々を増やしたいという想いを語られました。

 

 

 

 続いて、森の健康診断出前隊 木の駅

会議 丹羽 さんの講演会。

    

 愛知県、岐阜県、長野県にまたがる矢作川流域で10年間にわたり行われてきた「はぎの森の健康診断」の紹介。そして、主に人工林の観点からみた日本の森林をとりまく環境的、社会的な状況についての説明と、森の健康診断が生まれた経緯とその目指しているところに関するお話でした。 

 

 森林の価値を、経済(木材生産)、公益(自然環境)、暮らし(社会)という軸で捉えること。時代の流れの中で進んだ人工林の荒廃。孤独と苦悩に取り囲まれている山主さんたち。人工林は適切に間伐などの手入れがなされないと、地面に陽光が届かないので下草が生育しにくくなり、また、雨が木の葉を伝って落ちるしずくは、地面に直接降る雨粒より大きいので地面を余計に浸食して木の根を露出させ、結果的に山の保水力低下から山崩れや鉄砲水、洪水といった災害を発生させる原因となるそうです。

 

 森林と人々の関わりようを考えていく中で生まれ、市民、生産者、研究者、森林が趣味の場所の人たち等々、さまざまな立場の人々の知見経験によって磨かれてきた「森の健康診断」の手法は、森林と向き合い、関わっていく人材の発掘と育成において、山仕事は楽しいけれど大変さを伴うものであることを示しつつも、各地で着実に実績を詰み重ねているとのことでした。

 これらは、丹羽さんが持参した「森の健康診断」で使用する器具の数々。ほとんどのアイテムが100円ショップで買えるか、作る材料が買えるそうです。

 面白いと思ったのは「直径巻尺」。

 幹に巻くと、巻いた木の直径が分かるという優れモノ。

 

 

 昼食後は「森健体操」で木の気分になってリフレッシュ?

 

 いよいよ「森の健康診断」体験へ。

 

 

 

屋内で器具を使って計測のおけいこ。

 

「森の健康診断」では、作業にあたるメンバーそれぞれに役割が与えられます。

 

 

いよいよ山に分け入って、「森の健康診断」体験です。

 

  森の健康診断は、25㎡(5m x 5m)範囲の「植生調査」と、約100㎡の円(半径5.65m)範囲の「混み具合調査」という2つのプログラムで構成されています。それぞれの調査には項目とその調べ方が規定されていて、参加者は役割を分担して調査作業にあたり、さまざまなデータを収集します。

 ( 詳細については、こちらを参照ください )

 

 

 私たちもまずは植生調査を体験。

 一見緑の少なそうな斜面でも、この時は18種類の植物が見つかりました。植物の名前をスラスラ言う海老澤さんはスゴイ!

 

 

  続いて込み具合調査。皆で木に群がって測定しています。

     だんだん皆さん、目が子どもの頃のようになってきて、雰囲気が盛り上がってきました。

 

 

 

この器具を使って樹高を測定します。

 

 

 

どうやって?

 

という方は是非思い出してください。

数学の時間を。三角比を。

 

 

 

※「森の健康診断」では、数学の計算式が使われて

います。平方根も出てきます。

 

 でも、参加者向けのガイドやマニュアルが整備されていて、手順がしっかり作り

こまれていますので、数学が苦手な方でも大丈夫です。

 

 

 

 

 雨の降りだした中、マニュアルの記載に従って計算し、参考資料を確認して分かったこととは…

 

 樹高、幹の太さ等を測定し、いろいろ計算して最終的に割り出されたのは、

設定した約100㎡の円内に立っているべき木の本数でした。

 

 算出された本数はおおよそ5本( 計算値なので、小数点以下の値も出てきます )。

 実際にここに立っていた木の本数は…9本。

 木々の適正な生育のためには、4本程度を選んで伐採する必要がある、という

結果になりました。さまざまなことが分かる森の健康診断です。

 

  このようにしてみんなが調べた結果を集めて積み上げて行けば、森や山について、

より広い範囲で、より詳細なことが明らかになって行きます。そして、そこには森の

健康診断の一連の作業を通して、森や山とつながりを持った人の集まりが出来て

います。 

 森の健康診断は、森についてさまざまなことが感じ、学ぶことが出来るとても良い

機会です。皆さんも何はともあれ一度参加していただいて、森の中で心身をリフレッ

シュしてみませんか? 器具を使ってあれこれ調べているうちに、いつの間にか作業に

夢中になっている自分に気が付くことでしょう(^^) 

 

 その時はまさに、あなたが森とつながっている瞬間です。

 

 

 最後に本日の記念写真を。

 

 今日ご参加いただいた皆さん、丹羽さん、海老澤さんをはじめとするくつきの森の

スタッフの皆さん、ありがとうございました。

 

  次回以降の勉強会もよろしくお願いいたします。

 ちなみに、2回目の森の健康診断、"くつきの森で森のカルテをつくろう!"は、

7/13(土)10:00~15:00 開催予定。もちろん2回目からの参加もOKです。